

(弁護士会登録抹消)
私は法律事務所にて勤務した後、ご縁があり、労働基準監督署にて労働基準監督官として勤務してまいりました。監督官の仕事は弁護士とは異なり、中立の立場から労働基準関連法を適切に運用することにあります。監督指導や審査業務のほか、時には司法捜査を経て検察送致も行います。こう聞くと、とっつきにくい場所のような印象を受けるかもしれません。
ですが監督官も、法律相談や支援活動などを通じ、労働者や雇用主に寄り添ってお話を伺うことも少なくありませんでした。あらゆる職業の方々と直接お話しさせていただき、時には業界のことを教えていただく機会にも恵まれました。
そのような中で「働くことの意義」を常に考えさせられました。お金を稼いで生活の基盤を作るため、生き甲斐のため、色々あるかと思います。しかし世の中には、労働によって心身が苛まれる出来事も決して少なくありません。生きるための労働によって、過剰なストレスや危険を抱えること、ましてや、命を落とすようなことは避けなければならないと考えます。
「人々が安心・安全に働いて暮らしていけるよう、役に立ちたい。」そのような理念を次第に持つようになりました。
常磐法律事務所では「お客様一人ひとりの日常生活を組織として守り抜く」を理念として掲げています。この「日常生活」と「労働」は密接に結びついていると思います。多様な産業に恵まれ、多くの人々が暮らすこの神奈川の地で、当事務所の一員として日常問題の解決に貢献できるよう、真摯に取り組んでまいります。
また、人の暮らしも、事業の経営も、労働基準監督署のほか様々な行政機関との関わりは避けられないかと思います。実際に勤務していた私自身の経歴が、そういった面でも何かしらの役に立てれば幸いです。
私自身は決して立派な人間でもなく、落ち込んだり失敗したり、家族や周りの人々に助けていただきながらここまでやってこられた人間だと感じます。私が人からそうしてもらってきたように、私も人に傾聴し、寄り添う姿勢を大切にしていきたいです。
物事には法律云々以前に、実際に問題となっている事情があります。その事情をよく把握し、分析するためにも、当事者の痛みや大切なものを理解し、苦しむ理由を理解することで、物事の本質を見極めたいと考えております。
疑問点や不明点は遠慮なくお尋ねいただければ幸いです。問題解決に向けて、共に歩みを進められるよう尽力いたします。
の過ごし方