遺産相続

相続事件は、争族事件と言われるほど紛争が多く生じます。
そのため、紛争の類型も多岐にわたります。例えば、次のような場合です。

・遺言書の無いまま被相続人が亡くなり、遺産分割協議で話がまとまらない場合

・遺言書はあるが、それが無効である可能性があるため、遺言書の有効性自体を争う場合

・遺言書の有効性自体は争わないが、遺留分を侵害する遺言書であるため遺留分侵害額請求をしたいという場合

・相続人の一人が勝手に生前から被相続人の財産を消費したり、相続開始後も相続財産を処分している場合

など

このように、事案に応じて争点は千差万別と言ってよいと思います。そのため、事案に応じた方針決定や見通しが最も大切であり、それには相続事案の経験が豊富な弁護士に依頼するのが最善です。

特に、相続法における特別受益、寄与分、遺留分侵害額請求額といった金額の算定は、非常に複雑であり、専門家のフォロー無しに正確な金額を算定するのは困難です。

また、上記紛争解決のための手続きとしても、遺産分割調停、遺産分割の審判といった家庭裁判所で行う手続きや、遺言の無効確認や遺産の範囲を争う事件といった地方裁判所で行う手続きなどに分かれており、希望する結果に向けて適切な手続きを選択していく必要がありますが、その際には弁護士に依頼するのが一番です。

当事務所では、上記のような相続に伴うあらゆる紛争類型にすべて対応し、依頼者にとって最適なサポートを行っております。

相続事件を受ける際の弁護士の費用には着手金と報酬金があります。
また、戸籍や登記簿謄本の取得費用や裁判をする時の印紙代といった実費が別途かかります。

着手金とは、事案解決に向けて交渉したり、調停期日に立ち会ったり、訴訟遂行したりする弁護士の時間を買う費用だと思ってください。

[遺産分割協議事件の場合]

遺産分割協議事件の着手金は、次の通り、その人達が受け取るべき法定相続分の価格に応じて決めさせていただいています。

法定相続分が 1,000万円以下
50万円(税込)〜
法定相続分が 1,000万円超~
5,000万円以下
70万円(税込)〜
法定相続分が 5,000万円超
~1億円以下
90万円(税込)〜
法定相続分が 1億円超
110万円(税込)〜

例えば、遺産総額が1億2,000万円で、相続人が、母親と長男・長女という場合、長女の相続分は4分の1の3,000万円となります。そのため、長女の遺産分割事件を受ける時の着手金は70万円(税込)となります。

一方、このケースで、母親と長男は意見が完全に一致しており、母親と長男の両方から依頼を受けるという場合があります。
その場合、母親は6,000万円、長男は3,000万円となりますが、それぞれ上記基準で別途着手金を頂く(つまり長男70万円と母親90万円の合計160万円)ということはありません。

当事務所では、この場合、2人合算した金9,000万円を基準に、着手金は2人分であわせて90万円(税込)とさせていただいております。

[その他の事件の場合]

相続事件については、上記の遺産分割協議事件以外にも、遺言無効確認事件や遺留分侵害額請求事件、遺産の範囲の確認訴訟事件などがあります。

これらについては、着手金は一律50万円(税込)〜とさせていただきます。

尚、遺言無効確認事件については、勝訴し遺言が無効となった場合、遺産分割協議事件へと発展する可能性が高いですが、遺産分割協議事件については、遺言無効確認訴訟とは別の事件となりますので、上記「遺産分割協議事件」の基準で別途着手金が発生いたします。

[遺言書作成]

遺言書作成は22万円(税込)~とさせていただきます。

報酬金とは成果に応じてご請求させていただく金額です。

[遺産分割協議事件の場合]

遺産分割事件の報酬金は、争いのある部分と争いのない部分とで計算が違います。

具体的には、相手方との間で、遺産の範囲や分割方法及びその評価額に争いのない遺産(例えば死亡時の預金残高を法定相続分で分けること自体に争いがない場合など)は、最終的にその人が取得した金額の6%(税込)~が報酬金となります。

一方、相手方との間で、遺産の範囲や分割方法及びその評価額に争いのある遺産(例えば、自宅不動産を誰がどの割合で取得するのか、また、自宅不動産の評価額を巡って争いがある場合)は、相手と争って獲得した部分を金銭評価し、その18%(税込)~が報酬金となります。

[その他の事件の場合]

報酬金は争って獲得した部分を金銭評価し、その金額の18%(税込)~となります。例えば、遺留分侵害額請求権を行使し、約1,000万円相当の遺産若しくは代償金を得たという場合、180万円が報酬金となります。

一方、遺言の無効確認訴訟や、遺産の範囲の確認訴訟といった遺産分割の前提となる事件については、その後の遺産分割事件を継続して受任する場合については、遺産分割事件の報酬金で上記訴訟の結果を加味して金額を定めることができますので、遺言無効確認や遺産の範囲の確認で勝訴した時点で、報酬金は頂かず、最終的に遺産を取得した段階で、争いのある部分として計算をして報酬金が発生します。

なお、あまり考えられませんが、当事務所がその後の遺産分割事件を受任しない場合には、遺言の無効確認で勝訴した部分や遺産の範囲の確認訴訟で勝訴した部分を金銭に評価し、その18%(税込)が報酬金となります。